桐君はお兄ちゃんじゃない

「はー?マジ、キモイってー」

「ほらー、震えててかわいそー……」

「……ちゃん」

「……え?」


 勇気を出して発した言葉は、あまりにも小さくて。

 きっと、綾瀬君の心には、どうしても届かないようなもので。

 でも……。


「もう帰ろう……。お兄ちゃん」


 最後まで、震えは止まらなくて……。


「ははっ……!マジウケるわー」

「え、何?お兄ちゃんって、俺のこと?」

「可愛すぎんだろー……」


 怖い。だから、私は1人がいいんだ。

 人といると、こうやって笑われて、バカにされて……。


「……チッ」