桐君はお兄ちゃんじゃない

お兄ちゃんは、甘えん坊

　綾瀬さんたちと同居するようになってから、早3週間。

　学校生活も板について……いないですが、家での生活には慣れてきました。

　まあ、学校ではぼっちなだけですから。

　とまあ、何だかんだ言って、充実した毎日を送っています。

　ただ、1つ、問題があるのですが……。


「また、いない……」


　それは、夜になると、綾瀬君がいなくなることです……。

　いつもはご飯を食べてからなのですが……今日は、急いでいたようです……。

　仕方がありません。

　お母さんに報告を……。


「あら？桐君、どうしたの？」


　……と思ったのですが、やはり、この笑顔の前では無理です。


「えっと、すんごい眠いみたいで……起こしても起きなくて……」

「あらー、だったら、そっとしておいてあげた方がいいかしら？」

「うん、そうした方が、いいと思う……」