桐君はお兄ちゃんじゃない

「あー、私が蜘蛛を見つけて、驚いちゃったのよー」

「え、そうだったのかい?」

「そうそう!それで、楓莉が追い出してくれたのー」


 お母さんの言葉に、呆然とする。

 何で、そんな嘘……。

 お母さんはこっそりと振り返って、私に向かって、唇に人差し指を当てていました。

 優しく、笑いながら。

 ああ、お母さん……。

 そうだ。お母さんは、優しいんだ。

 だから、私は、お母さんに幸せになってほしくて……。

 そのことを思い出すと、元気が出てきました。

 よし、お母さんの幸せをサポートできるように、頑張ります……!


「あ!楓莉。桐君の部屋の場所、教えてあげてくれる?」

「……え?」


 せっかく、前向きな気持ちになっていたのに、思考がストップします。

 何か、嫌な予感がするのですが……。