男装バレしてないのに距離はバグってます


「こっちの区専用のアプリが存在するのだぁ!」

永瑠くんはスマホを見せながら教えてくれたけど……。アプリってどんなものなんだろ。

「俺らD区にたむろしているやつにだけに登録が許されるアプリだ。これがないと相手にしたい奴と喧嘩どころか、話すら聞いてもらえねぇ」

竜琉くんがテーブルに座りながら教えてくれれば、そうだ、というように三人も頷いてる。

「でも、この前は歩くだけで喧嘩をふっかけられるって言ってたよね」
「ああ。間違いじゃねぇからな。確かにアプリにのっとって喧嘩する奴もいるが、アプリなんざ関係なく見境ない奴もいるからだ」
「例えば、アプリを一度はインストールしてたことがあっても、今はしてない、とかね」

補足するように、大輝くんが言葉を足してくれて。私のなかで少しずつ理解が深まっていく。

「……そのアプリは一体どんな内容なの?」

アプリがあるなんて、一度も耳にしたことはなかったのに。

「じゃあそれについては僕から説明しようか、いいでしょ?たっつん」
「ああ」
「お許しがでたので、ではでは」