男装バレしてないのに距離はバグってます


生まれた時からずっと、翠花は海外で過ごし、小学六年生の終わり頃に引っ越してきた。おばあさんが亡くなったことを理由に。
しかし、引っ越した先はD区。
どんなところなのか、なにも知らないままに引っ越してきた翠花一家。
けれど家を建てたことから、すぐに別の場所へは引っ越すことは出来ず、翠花は外に行くだけでも怖かったと言っていた。

その話を聞いたのもあって、翠花を助けてから会う度に、私は境界線ギリギリまで翠花の送り迎えをしていた。
数回だけ、翠花と私を狙った不良くんたちを倒したり。

そして、中学に上がって一ヶ月もしないうちに翠花はこちらの区へと引っ越してきて、同じ今の学校へと通うようになったんだ。



翠花がこちらに引っ越してきてからずっと……私も翠花も平穏に暮らしてきた。
今の暮らしを卒業するまで、そして高校生になっても続けられると思いながら。
なのに、それを揺るがすようなことが起きてしまった。