ただ助けたいって気持ちが先走って、声をかけた後の事なんか考えてなかった。
不良くんたちに、やめたら?なんて言ったら後には喧嘩がつきものだったのに。
当然、誰だ?と向けられた視線はするどく、砂利を踏みつけてくる足音と指を鳴らす音がやけに大きく聞こえた。
だけど結果的には、とりあえず動き回っていた私の勝ち。
『あ、あの……』
『大丈夫?』
両手をにぎりしめながら、おそるおそる私へと近づいてきた翠花。この時も、トレードマークのカチューシャをつけていた。
『うん、あたし有川翠花。助けてくれてありがとう』
『私は……立花一悠。あのショッピングモールからたまたま見つけてさ』
ショッピングモールがある方向をさしながら伝えて、翠花はその方向を見つめた。
『あそこから……割りと距離あるのにここまで助けてくれたんだ……すごく嬉しい。それに強いんだね。でも、怪我はない?』
『うん、ないよ』
見たところ、翠花にも怪我はなくて。
早く帰ろうと思えば、引き止められて長話をした。
出会い方はどうであれ、同い年だったからか、私たちが仲良くなるまでに、そう時間はかからなかった。



