……しかもこの男の子、いま私に"男一人"って言った。
喧嘩が初めてじゃないのは見抜かれても、どうやら女子とは見抜かれていないらしい。
だったら……ここは否定せず男のフリをしてみた方が吉じゃない?
「別に。その物好きとやらってことにしておいていいよ。探し物が終わり次第、出入りはしないから」
ここでこれ以上話してたらお母さんたち帰ってきちゃうから、じゃあね、と軽く手を振って行こうとすれば、
「なら、手伝ってやってもいいぜ?」
──え?
そんなこと言われるとは思わず、勢いよく振り向いてしまった。
でも……
「……手伝うって、なにかそっちにメリットでもあるの?」
なにもないと思うけど。
なんで手伝うなんて言うのか……分からない。
「そうだな……見たところ、今日のやつらでは物足りなそうに見えるくらいには……喧嘩は出来る、そうだろ?」
「それは……」
喧嘩は出来る……やりたくてしてるわけではないから否定してみようかな、なんて思うもやっぱり見透かされそう。
それに物足りないっていうよりは、思いきりやる必要はなかった、って感じだけど。



