そ、想像できない!!ジローさんが女の子と一緒にいるとこなんて……!!
いや、超美形だけどさ!
過去に彼女いたって全然おかしくないし、むしろいない方がおかしいけどさ!!
でもジローさんだよ!?
やだ、どうしよう……軽くパニックだ。
なんか……なんか言い表せないけど、複雑な気分だ……!!
「ねぇ、それいつの話!?っていうか何がどうなって──」
「あ、ジローちゃんだ」
「えっ?」
ハイジがさらりと言った一言のせいで半端ないくらいパニックになってしまった私は、ハイジを問いつめようと必死だった。
なのに。
私達の数メートル先に、突然住宅街の入り組んだ横道からぬっと現れたジローさん。
ドキリと、一度大きく心臓が跳ねた。
やる気なさそうに前を歩く彼は、私とハイジに気づいていない。噂をすれば何とやら。
どうしてジローさんまでもが、こんな朝っぱらから登校しているのか。
そんな疑問はどうでもよかった。
それよりも、さっきのハイジの話の方が気になって気になって仕方がなかった。
なんでそこまで気になるか、自分でもわからない。
けど、胸の奥がモヤモヤする。
ジローさんに彼女がいたという、事実が。
ただでさえ渦巻くこの感情が、足を重くさせるっていうのに。
「白鷹先輩、あの……!」
ジローさんを追いかけてきたのか、彼が出てきた道からもう一人誰かが姿を見せた。
その誰かはジローさんにたたっと駆け寄ると、「受け取ってください」と彼に何かを差し出した。
遠くからだからはっきりとはそれが何なのか確認できない。手紙、みたいなものだった。
うちの学校とは違う学校の、制服の女の子。
さらさらヘアーの可愛らしい女の子。
私なんかとは比べものにならない、女の子らしい子。
もうパニックとか通り越しちゃって、「お、なんだなんだ告白か!?」とワクワクしているハイジの横で私はただ茫然と、視線の先のジローさんと女の子の光景を眺めるしかなかった。


