聞いていいのかな。
お父さんに隠してたりするかな。
けど、動き出した口は止められない。
「――叶方さん、女性が苦手だったりしませんか?」
叶方さんの目が、見開かれた。
「どうして、それを…………?」
ちょ、直感としか……。
「そ、それは本当なのか?」
私が答えに詰まっていると、お父さんが叶方さんに小声で聞いていた。
叶方さんはうなずく。
「ああ。治ったふりをして、隠していたけれど」
ぎゃああああやっぱり隠してた秘密を暴いちゃったやつー!!!
しかもこんな場で!!!
ここは速攻、謝るべき!
「出会って早々に、知らなかったとはいえ、隠してたことをしゃべっちゃってすみません。もし再婚となった場合は、あまり近づかないように気を付けますね」
「あ、いや、それはしなくてけっこうです。いつか克服するまで隠し通して、あとから打ち明けるつもりだったので……」
どうしよう、なんか暗い空気になっちゃった。
沈黙の中、私はちょっと考えて。
……よし、良いこと思いついた!
「よかったら、責任をもって叶方さんの女嫌いを治すお手伝いができたらと思います」
「え!? 別にそこまでは……。それと、晴香さんがもしよければタメでいいですよ」
「タメりょーかい。それに、これはWin-Winなことだから気にしないで!」
「え……?」
困惑した様子の叶方さんを前に、私はさっき思いついたことをおひろめするために、ちょっとだけ、息をすいこんだ。
「状況を整理しよう!」
そして、冒頭に戻る――



