……ありました。
特定とまではいかなくとも、絞り込めはしそうな情報が。
まず、アンチさんは、散歩中に撮った写真をアップしていて、その写真がバリバリ近所。
さらに、「制服かわいい♡」なんて言葉とともにセーラー服の自撮りもある。
ほかにも、なにかあるかな?
作業そっちのけでネトスト行為に熱中していた私は、
「入っていいか?」
「っ……!?」
かなくんの声がして、慌ててスマホを隠し、作業に熱中していたふりをした。
パソコンでVモデルづくり用のソフトを起動してあってよかった、おかげでぱっと見バレないはず。
「う、うん! どぞどぞ!」
部屋に入ってきたかなくんは、なんだか心配そうだ。
「なんかあった?」
「なにもないよ、作業の進捗はアレだけど!」
「ふぅん……?」
かなくんは、ゆっくりと、目を細めた。
な、なんか、疑われてる……!?
私は作業してるアピールをすべく、意味もなくマウスをカチャカチャさせた。
それから、本当に作業を始める。
ラフイラストをもとに、描き足しをしつつパーツを分け、動きを付け、……。
かなくんが来ていたことを半分忘れたあたりで、かなくんは言った。
「……楽しそうに絵描けるって、すごいな」
すごくしんみりした声音だった。
「楽しそう、っていうか、楽しいからね?」
困惑を込めて言葉を返す。
さっきといい、今日のかなくんはなんだか暗い。
あ、そうだ!
「そういえばかなくんは絵どれくらい描けるの? それで1本動画つくれそう」
「そりゃ、まあ。び、美術とかで描いたことあるし、い、い、一応5だし……」
ん、急にキョドりはじめた?
……これ、絶対なにか隠してるな?
あまりにも気になる。
アンチDMについてもいずれ言わなきゃだし、いったんお父さんに相談かなぁ。
と、その前に。
「それじゃ、さっそくだけど描いてみない? 私のリアルな反応が録りたいから配信部屋でいい?」
「ん、うん、まあ……」
「すぐじゃなくていいよ、って言いたいとこだけど、練習してない素の状態がみたいから今すぐやろー!」
やめてあげた方がいいのかなぁ、なんて思いつつ、見てみたい気持ちが止められず、私はいつものようにかなくんを配信部屋に連行した。
***
配信部屋のパソコンにも、いつも使ってるお絵描きソフトをダウンロードして、いつも使ってるタブレットをつなげて、それから録画をはじめる。
「私たちは、8/16にデビューする準備中カップルVチューバー! この体は私がつくったので、私・ハルの画力は分かると思いますが、かなくんの画力はいかほどなんでしょうか?」
「一応美術5ではあるけど、こういう画面と描くところが離れたタブレットで描いたことはないし、たぶんハルのには見劣りすると思うぞー……?」
「と、言いつつも、私がはじめてデジタルイラストを描いたときと比べて圧倒的に迷いがない! 本当に板タブ初なのか!?」
司会者きどりでノリノリの私と対照的に、かなくんの表情は無に近く、冷静に画面を見つめているようだった。
綺麗だった。
特定とまではいかなくとも、絞り込めはしそうな情報が。
まず、アンチさんは、散歩中に撮った写真をアップしていて、その写真がバリバリ近所。
さらに、「制服かわいい♡」なんて言葉とともにセーラー服の自撮りもある。
ほかにも、なにかあるかな?
作業そっちのけでネトスト行為に熱中していた私は、
「入っていいか?」
「っ……!?」
かなくんの声がして、慌ててスマホを隠し、作業に熱中していたふりをした。
パソコンでVモデルづくり用のソフトを起動してあってよかった、おかげでぱっと見バレないはず。
「う、うん! どぞどぞ!」
部屋に入ってきたかなくんは、なんだか心配そうだ。
「なんかあった?」
「なにもないよ、作業の進捗はアレだけど!」
「ふぅん……?」
かなくんは、ゆっくりと、目を細めた。
な、なんか、疑われてる……!?
私は作業してるアピールをすべく、意味もなくマウスをカチャカチャさせた。
それから、本当に作業を始める。
ラフイラストをもとに、描き足しをしつつパーツを分け、動きを付け、……。
かなくんが来ていたことを半分忘れたあたりで、かなくんは言った。
「……楽しそうに絵描けるって、すごいな」
すごくしんみりした声音だった。
「楽しそう、っていうか、楽しいからね?」
困惑を込めて言葉を返す。
さっきといい、今日のかなくんはなんだか暗い。
あ、そうだ!
「そういえばかなくんは絵どれくらい描けるの? それで1本動画つくれそう」
「そりゃ、まあ。び、美術とかで描いたことあるし、い、い、一応5だし……」
ん、急にキョドりはじめた?
……これ、絶対なにか隠してるな?
あまりにも気になる。
アンチDMについてもいずれ言わなきゃだし、いったんお父さんに相談かなぁ。
と、その前に。
「それじゃ、さっそくだけど描いてみない? 私のリアルな反応が録りたいから配信部屋でいい?」
「ん、うん、まあ……」
「すぐじゃなくていいよ、って言いたいとこだけど、練習してない素の状態がみたいから今すぐやろー!」
やめてあげた方がいいのかなぁ、なんて思いつつ、見てみたい気持ちが止められず、私はいつものようにかなくんを配信部屋に連行した。
***
配信部屋のパソコンにも、いつも使ってるお絵描きソフトをダウンロードして、いつも使ってるタブレットをつなげて、それから録画をはじめる。
「私たちは、8/16にデビューする準備中カップルVチューバー! この体は私がつくったので、私・ハルの画力は分かると思いますが、かなくんの画力はいかほどなんでしょうか?」
「一応美術5ではあるけど、こういう画面と描くところが離れたタブレットで描いたことはないし、たぶんハルのには見劣りすると思うぞー……?」
「と、言いつつも、私がはじめてデジタルイラストを描いたときと比べて圧倒的に迷いがない! 本当に板タブ初なのか!?」
司会者きどりでノリノリの私と対照的に、かなくんの表情は無に近く、冷静に画面を見つめているようだった。
綺麗だった。



