女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

***

 心がざわざわするようなこともあったけど、今は、普段通りに振る舞おう!

 そんなわけで。
 今日も今日とて私たちは配信部屋に集まっていた。

「今日は、替え歌の歌詞を考えたいんだ!」
「替え歌?」

 首をかしげるかなくんに、私はパソコンの画面を見せる。

「うん。こういうのがあって……」

 まず流したのは、とある転生をモチーフにした、合成音声が歌う曲。
 そして次に、私の推しているVチューバーの縦型動画を再生する。
 それは、活動開始までの人生を替え歌の歌詞にして歌ったものだった。

 真剣そうにその動画を見ていたかなくんは、動画を最後まで再生しきったあと、私の方に向き直る。

「こういうのをやりたいってこと?」
「うん、そう!」

 笑顔で頷きながら、私は胸の奥がちくりと痛むのを感じていた。

 ……実は、純粋にこれがやりたいっていうよりは、別の目的があるんだ。
 それは、かなくんの過去について、知りたいってこと。

 あっ、おいそこ、笑うな!
 中2にもなって聞きたいことも聞けないだなんて、恥ずかしいんだよ……!
 うーん、でもこれ、むしろ中2になったから、成長したからこそ聞けないのかも?
 だって小学生なら無邪気に聞けてた気がする。

 あ! また思考がそれちゃった……。

 ええと、なんで過去が知りたいかって言うとね。
 普通に気になるってのもあるけど、アンチの人と知り合いかもしれないから。
 それと、女嫌いになったきっかけがどこかにあるかもしれないから。

「私が歌詞に入れたいのは……まず絵描きやってて、お絵描きの合間にVチューバーを見てたこと。それでVモデルを作って、買ってもらったこと。自分のデビューは考えたことがなかったけど、かなくんと出会って、ビビッときたこと……かなぁ? かなくんは?」

 かなくんは、どんな過去を、歌詞に入れるんだろう?
 心臓の音が速くなるのを感じながら、私はかなくんの言葉を待った。

「俺、は――」