女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

 どどどどどど。
 どういうこと??????

 お、落ち着かないと。

 すーっ、はーっ。
 深呼吸して、でも心臓のばくばくが止まらない。

 ひとつわかったのは、アンチに狙われるくらい、Vチューバーとしての知名度が増えたこと。

 そして、もうひとつは――

 このヒト、かなくんの本名を、知ってる……?

 と、とりあえず、証拠を保存しておかなきゃ!
 スクショして、DM画面をそっと閉じる。

「今から作業するよー」とつぶやいて、現実逃避ぎみにモデリング作業を始めた。

***

 作業をしていたら考え事をせずに済むかな? と思ったけど、全然そんなことはなかった。

 私、動画で間違えて本名を言っちゃった?
 いやいや、そんなわけない!

 じゃあどうして「叶方」って名前を知ってるの?
 もしかして、知り合い?
 そこまでは簡単に予想がつくけれど、送り主が誰かはまったくわからない。

 ――だって、私は、かなくんの交友関係を何も知らないから。
 いやまあ交友関係以外もまったく知らないって気が付いてしまったけど、いったんそれは置いておく。

 今さらだけどさ、私、かなくんと知り合ってひと月ちょいしか経ってないんだよね。
 あの衝撃の顔合わせが6月末。そして今は、8月のはじめだ。

 今はまだ知り合って日が浅いから、しょうがない。
 けれどいずれは、かなくんのことをもっと知りたいな。
 だって家族になるんだから。

 あっ、またまた思考が変な方に転がった……!
 ぺちぺちとほおを叩いて、自分に喝をいれる。

 問題は、かなくんがこのDMについて知っているかどうか、だ。