女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

「あれ? 前にも話さなかった? ……別にこのまま、再婚せず過ごすことになるわ。子供どうしが嫌がらないか、共同生活ができそうか、チェックするのが顔合わせの目的だもの」

 たぶん、私のことだから、ママはちゃんと言ってたのに忘れちゃったんだろうなー……。

「そもそも、家族になって同居したほうがいろいろ楽じゃない? ってところから始まってるからね」

 いや、これは絶対、初耳……!!

 しかもなんだその結婚理由。
 もっと、なんかこう、ロマンチックな感じを期待しちゃってた……。

 ってか今、ちゃっかり聞き逃せないワードが。

「……同居? ここ狭いし、引っ越すの?」
「そうなると思うわ。四宮さん家にはそこそこ空き部屋があるから、そちらへ引っ越すんじゃないかしら。……学校変わるのが不安?」
「ううん、めんどくさいなって」

 絵に影響がでないなら好きに再婚してなよ、って思ってたけど、引っ越しするなら、ちょっと嫌かもしれない……。
 そんなことより。

「四宮さん家、パソコン使えると思う?」

 家政婦としてお掃除とかそういうのをしているなら、四宮さん家の部屋のつくりとかも知ってるはずだ。
 私が今お絵描きに使ってるパソコン、普通のコンセントじゃないところからちゃんとコードをつながないと使えないタイプなんだよね……。

「使える、あるいは今使えなければ使えるようにしてくれると思うわ。息子さんがパソコンにこだわってて、詳しいの」
「ゲームでもしてるの?」
「株よ」
「……ごめん、そのヒト何歳?」
「15歳、高校1年生ね」

 今まで自分のことハイスペックだと思ってたんですが、上には上がいるもんっすね。

 だって、株って株式会社の株でしょ? パソコンの性能にこだわる理由って、きっと、秒単位で売る値段とか買う値段が変わっちゃうからすぐぽちっとできるように、ってことでしょ?
 すごい。
 私はパソコンのお絵かきソフトと絵を動かすソフト、おまけに投稿サイトしか使ってないし、それの使い方くらいしかわからないよ。


 そんなことを思っていると、ピーンポーンとインターホンが鳴った。