女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

 今まで私が「これお願い」と言ったことはやってくれたけど、積極的になにかやりたいと言い出すことはなかった、かなくん。
 私はやってほしいことはすべて口に出していたから、とくに不満はなかったけど。

 企画の案だしも、動画編集も、ふたりでやるようになってから、活動の雰囲気が変わって、楽しさがアップした気がしていた。

***

 最初の動画がバズる、なんてことはなかったけど、毎日色んな投稿を続けたら少しずつ伸びていた。

 本当にいろんな縦型動画を上げた。
 裏話系……金銭事情とか、一日のタイムスケジュールとかだったり。
 流行りとしてはちょっと古いかも? だけど、「○○した人への対応」的なタイトルで、見るの止めちゃった人、最後まで見てくれた人、チャンネル登録してくれた人、高評価してくれた人、コメントしてくれた人、それぞれに向けてひとこと物申すやつだったり。
 お絵描きのタイムラプス+おしゃべりの動画とか、歌ってみただったりも。

 そして、なんとか、登録者100人の立ち絵公開も、1000人のVモデル公開もできた。

 Vチューバーがたくさんいる昨今、これほどたくさんの人に見つけてもらえたことが、すごくうれしい。
 次は、5000人で新しい衣装を公開することにしている。

 とっても順調! と言いたいところなんだけど。
 なんか、かなくんの人気で視聴者さんが集まってくれてる感がすごくて。
 Vチューバー・かなくんのファン第一号としてすごく共感はするけど。
 たまーに、私、要る? なんて思っちゃうことも……。

 ダメダメ、気合入れないと!

「よしっ、今日の動画もアップしちゃお!」

 今日は、1本の歌ってみた動画を作るまでの手順を大公開する動画だ。
 投稿作業を済ませて、次の衣装モデルづくりを始める。

 ……と、その前に、軽く告知をしておこう。

 まずはメインアカウントにログイン。
 やったー、いいね通知も、フォローされた通知もいくつか来てる!

 普通のつぶやきに動画サイトにとべるリンクを貼ると伸びにくいので、リンク無しで告知を投稿してから、返信にリンクを付ける。

 これでよし。
 次は、スマホでサブアカウントにログインして……。

「今から作業するよー」なんて、つぶやこうとしたその時。

 私は、DMの存在に気付いた。

 DM。ダイレクトメッセージ。
 投稿がウリのアプリにたいてい備わっている、送りたい相手に、直接(ダイレクト)に、非公開でメッセージを送れる機能。

 なんだろ……?

 いいお知らせだといいな、と思いつつ、開けてみると。


『お前ごときに叶方さまが愛称呼びを許すなんてありえない』
『お前は叶方さまにふさわしくない』


「……え?」