女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。


「っしゃ、できたー!」

 すごく、すごく大変だったけど、なんとか縦型動画が完成した。
 これでようやくひとつかぁ。

 みんながMIX師とか動画クリエイターとかに作業を頼む理由が分かったわ。
 そもそもプロの方がクオリティが高いし、ひとりでやるのはすごーく時間が取られる。

 ま、それはおいといて!
 今はひとつできあがったことを喜ぼう。

 配信部屋を出て、かなくんの部屋へ突撃。

「かなくんかなくん、できたよ見てみて!」
「お、どんな感じになった?」

 またまた手首を軽くつかんで連行し、配信部屋の椅子にそれぞれ腰かけた。

「それじゃ、いっくよー!」

 再生ボタンをぽちっと押す。

 今サブアカウントでつかってるシルエットアイコンを上下に並べて、そのアイコンにメンバーカラーで名前をのせただけのシンプルな画面。同じくしゃべった人のメンバーカラーで字幕をつけている。
 良くない例だけど、声優ラジオの無断転載のような感じだ。

 あ、いや、無断転載は再生してないからね!?
 サムネがどうしても出てきちゃうからさ。

 ……話がそれた。

『かなくんー、いっしょにVチューバーデビューしよー』
『ん、ハルがそれを望むなら』
『はうぁっ、今日もかなくんカッコよすぎ! さっすが私の仕立てた姿!』
『自画自賛かよ』
『だ、だってー』

 映像が切り替わり、立ち絵のシルエットが表示される。

『私のヘキが詰まりに詰まったビジュイラストはチャンネル登録者100人で公開!』
『今から推せば最古参。よかったら推していきませんか?』

「これどう!! よくない?」
「たしかに性格は出てるんじゃない?」
「えへへ、そうでしょー……ってことで、アップするよー」

 緊張する。
 カチリとマウスのクリック音だけがやけに響いていた。

 操作を終え、ぐるぐると読み込みするのを待つ。
 ぐるぐるが消えた。

「……これで、できたっぽい?」
「そうみたいだな」
「ふぃー、なんとかここまでこれてよかった、これほんと大変だったんだよ!? しかもこれでようやくスタートラインなわけでしょ? うわー、前途多難ってやつだー」

 くぅぅっと伸びをしていると。

「……動画編集ってどんな感じなのか?」
「ん、もしかして手伝ってくれる?」
「未経験で良ければ?」
「ほんと!!??」

 ひとりでやるのキツかったから、すごく助かる!
 しかもかなくんのハイスペックぶりなら、たぶんきっと未経験を感じさせないクオリティのものを作ってくれそうだ。

「かなくんが手伝ってくれるなら、百人力だよ!」

 笑顔で言ったら、かなくんはちょっと顔を赤くしていた。