ついに、ついに許可を得た。
 ということはつまり、あとはアカウントを作って、宣伝をして、配信するだけ!
 ……やるべきこと、まだまだ多いね?

 まずは初配信日を決めたい。
 そう思って、かなくんを配信部屋へ連行することにした。

「今ちょっと時間空いてる?」
「まあ」
「んじゃ配信部屋へかもーん」

 パソコンに向かっていたかなくんの手首をがしっとつかむ。

「しかたないなぁ」

 苦笑いしながら立ち上がってくれたかなくん。
 その手を引いて、配信部屋へ移動した。

***

 綺麗なデスク。
 長時間座っても体を痛めない、痛めにくいゲーミングチェア2つ。
 大小2枚のモニター。
 2つのマイクと、それをパソコンにつなぐオーディオインターフェース。
 そしてなんといってもパソコン本体。

 などなど。

 機材を持ち込み、ととのえた部屋は、すごく理想的になっていた。
 それぞれいすに腰掛けてから、私は話し出す。

「初配信日、8/16にしたいんだけど、空いてる?」
「ん。べつに夏休み中予定ないからいつでも」
「了解、ありがと。それでね、それまで縦型動画を毎日アップしたくて。ママに見せたあのスケジュールにある通り、収録お願いすることもそれなりに出てくると思う」

 そう言うと、かなくんはちょっとあわあわした。
 私なにかまずいこと言った?

「……スケジュールちゃんと見てなくてごめん、今から収録だったりする?」
「それはない! 明日から! 今日はね、これからアカウントをつくるつもり」
「なんか『始まる』って感じするな」
「でしょでしょー。……んで、動画サイトのアカウントは共用、某つぶやき系SNSは共用のとそれぞれのとがほしいなって」

 話しながら、まずはメールアドレスのアカウントを作る。