女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

 なるべく甘い声になるにはどうしたらいいか、ちょっと研究してみたんだけど。

『しかたない、止まってたら言うからちゃんとやりな』
『はぁい……』

 そう言ってふにゃあと笑い、シャーペンを手に取る晴香。
 その顔に「もう、がんばるしかない!」と書いてあった。
 素の表情でかわいいなんて。

 ……。

「何があっても、ハルのことは俺が守るから」
「そりゃどうも。……って、はわわわわ……」

 晴香は、必ず、俺ではなく、画面を見て顔を赤くする。

 ――生身のイケメンには反応しないくせに、自分が描いた絵を見たら一瞬で顔真っ赤にするのな。

 嫉妬に近しいなにかを思った自分に、ふたをした。

***

 勉強会が終わり、晴香が俺に聞いてきた。

「両親の説得、どうしたらいいと思う?」
「んー……」

 俺は記憶を手繰りよせる。

「……俺も、似た経験がある。『株はやったほうがいい』なんて言われて、とくに興味なかったけど始めさせられてさ。で、ハマりだしてがっつりやろうとしたら止められて。――でも今、俺はそれなりにがっつり株をやってる」
「それって……」
「そう。説得した。ちょうど今、晴香が置かれてる状況みたいに」

 晴香の目にキラキラが宿って、胸が高鳴る。

「どうやって説得したか――どうやったら説得できるか、かな? なんでも、教えて」
「もちろん。さっきの株エピソード、そのために打ち明けたんだし」

 そうして俺は、思い出せる限りのことを語った。