女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

 それなりに片付いて、ひと息つく。

「ふー……この感じだったら、なんとか配信できそうだね。もしアンチとかきたらこわいけど」
「大丈夫。何があっても、ハルのことは俺が守るから」
「そりゃどうも。……って、はわわわわ……」

 唐突にイケメン台詞を吐くかなくんに雑な返事をした直後、画面を見て私はかっこよさの渋滞に声をあげた。

 私の好きな顔から!
 私の好きな声が!
 私に愛をささやいて……!?

 ふらっと後ろに倒れ込んだ私をかなくんが支えてくれる。
 それすらも画面に反映されていて、ひゃぁぁあぁぁ。

「大丈夫か?」
「大丈夫じゃなくしてるのはきみの唐突なイケメン台詞ですが!?」

 そう言うと、かなくんは嬉しそうに、ゆっくりと口角を上げ、ほおをゆるませた。

「どうしてそこで喜ぶ???」
「ようやくイチャイチャっぽいことができたなぁって」
「……たしかに、?」

 言われてみれば、それもそう?
 こういう真っ赤っかになっているところ、需要あるのかも……?
 ドキドキしすぎて判断力がどこかへいって、よくわからない。

***

 そこからまた勉強を再開したはいいんだけど。
 どうやら、かなくんは「ハルにいろんな激甘セリフを言ってどれが一番いい反応をするか選手権」を開催したようで。

「頑張ってるところも素敵だね」
「ひゃふぅ」
「ハルはかわいいね。その反応も」
「にゃにぇー!?」
「独り占め、できたらいいのに」
「……!!」

 最高の声と最高のお姿から繰り出される激あまな台詞の数々。
 もはや暴力!
 いろんな方向性の激あま台詞を浴びた私は、もうへろっへろ……。

 もしこれで勉強の効率が落ちてたらすぐに止めさせるんだけど――
 話しかけてくるのは必ず、ちょうど心折れそうになったタイミング。
 やる気を取り戻させてくれるありがたーい存在なので、無下にはできない。

 ありがたくない効果はひとつだけ、心臓がもたないこと!

「……そういえば、かなくんは自分の宿題おわったの?」
「そりゃもちろん。暇だからこうしてハルであそ……ちょっかいかけてる」
「私で遊んでるって言いかけたし、ちょっかいでも別に意味変わってなくない!?」

 なんか私の新生活、予想もしてなかった変な方向に大変になりそうな予感……?
 とくに心臓、もつかなぁ?