女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

 さっそくお隣のかなくんの部屋へ。

「またデザイン案つくったから見てくれるー?」
「ん、見せて」
「じゃじゃーん」

 スマホ画面を見せると、かなくんはわずかに目に輝きをともした。

「お、いいじゃん」
「でしょでしょ! これベースで作っていい?」
「もちろん」
「やったー!」

 よし、これでVモデル作成に着手できる……!

 本当によかった。
 これ、夏休み中に初配信をむかえるにあたっての一番の不安材料だったから。
 だって、アイデアが浮かぶまで無限に完成が後ろにずれてくわけで。

***

「それでねそれでね、デザインができたの!」
「まあ、よかったわね」

 夕食でも、うっきうきでそのことを話していると。

「……ところで晴香、Vチューバーに向けての準備は順調なようだけど、夏休みの宿題はだいじょうぶ?」
「あうっ」

 それを言われると痛い……っ!

「さ、作業の合間に進めてはいるけど、あんまり……だってさあ、もう完全にわかってる範囲だよ? やる気でないじゃん……」
「提出物を出すのは、やる気をコントロールして、物事をコツコツ計画的に進めていく練習よ」

 ど正論!

 現実逃避にロールキャベツをひと口。
 うん、おいしい。

「ほふふゃっひゃふぁ……どうやったら、私やる気出ると思う?」
「それを自分で考えるのも提出物のうち……とはいえ、うーん。叶方くんと勉強会でもしてみたら?」

 ええ?
 かなくんと居たところで勉強がはかどるわけじゃ……。

 ん、まてよ。

「かなくんがよければだけど、機材が届いてVモデルが完成したら、それを映しながら一緒に勉強会をやりたい!」

 Vモデルは焦って作るもんじゃないけど、ママを納得させるには早く勉強会をしたほうがいい。

 最短で何日かかるかな……?

 記憶を探りながら、私は口を開く。

「機材届くのあさってだよね? だったら、ママ、3日だけ待って」
「……提出期限に間に合うなら、ママは何も言わないわ」
「それじゃあもうちょっと待って」
「おい」