気を取り直して。
現実の動きとVモデルとを連動させるのに必要なのは、あとカメラ……?
画質とfps?ってのが、細かい表情の変化を反映するのに大事らしい。
fpsってのは、フレームス・パー・セカンドの略で、1秒のあいだに表示できる静止画の枚数をさすんだって。なんか、ゲームの種類かと思ってた。
画質は、その瞬間の「画」の細かさ。
fpsは、切り取る瞬間の細かさ。
両方の数値を大きくすれば、細かく表情を読み取れるらしい。
な、なるほど~~!
私がVモデルを売ったあの人も、こういうふうに機材をそろえてたんだよね、すごい……。
あ、そうだ、絵描きとしてのアカウントとVチューバーとしてのアカウントを切り離すかどうか悩むな。
アカウントを分けず、絵師Vチューバーをウリにして上手くいってる人もたくさんいるから、できることなら私もそうしたい。
けど、なんか変な発言しちゃったときが怖いし……。
絵描きの私がVの私にモデルを売った形にする?
でもさあ、SNSで「ママは○○さんです!」『お仕立てさせていただきました❀』「最高にかわいいです、ありがとうございます~!」みたいなのをぜんぶひとりで書くの、虚無すぎるよね……。
むー、やっぱり完全に切り離して、Vの私がセルフで描いたことにしておくか……?
そしたら絵を描けるって特技を活かしやすいし。
♪~
そんなことを思っていると、ふと、流れはじめた曲が気になった。
そうだ、動画サイトの機能をつかって、自動で動画が切り替わるようにして、作業用BGMがわりに放置していたっけ。
その曲は、エイリアンをモチーフにした、合成音声が歌っている曲だった。
エイリアン……宇宙人……。
なんか、ここからデザイン考えるのもありな気がするな。
「晴香、叶方くんー」
あ、ママがお昼ごはんに呼びに来たみたい。
午後はいつもどおり、じっくりイチから一枚絵を完成させるのに費やしたいし、Vチューバー関連は午前中に済ませないとな。



