女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

「Vチューバーって、動画とかで現実の顔じゃなくイラストとかを使うでしょ? その仮想の肉体のことを、Vモデルとか、ガワとか、アバターとか、いろんな呼び方をするの」
見た目(ビジュアル)か……」
「考えてくれる?」
「……気が向いたら」

 うぉう、ビミョーな返事。
 まあ嫌だと言われなかっただけましかな?

 叶方さんは高校一年生。
 きっと中学生とは比べ物にならないくらい、いそがしいんだろう。

 そもそも、一緒にVチューバーをやってくれるというだけで、奇跡みたいなことなんだから。

「あっ!」
「……今度はなに?」

 ドアノブに手をかけた叶方さんが、こっちを向いた。

 私はニコッと笑って口を開く。
 言い忘れていた、大事なことを言うために。

「ありがとう。一緒にVチューバーやってくれて」
「まだ両親の許可得てないだろ」

 照れ隠しみたいな言い方をして、叶方さんは部屋を出ていく。


 さて、引っ越し作業も済んだことだし、疲れてるけどデザイン案くらいは出しておこうかな?

 そんなことを思って、ぐっと伸びをした。