女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

「えっ、ええっ!? そんな、一緒にやってくれるのは嬉しいけど、お、お金は申し訳ないよ……!」

 断るようにわたわたと手を振るけど、叶方さんは真剣な表情のまま、私から目をそらさない。

「もし今じゅうぶんお金が足りてるならやめるけど、足りてなくて妥協してるだろ?」

 ず、図星すぎる!

「なんでわかったの……? Vチューバーの初期費用がどれくらいか知ってるってこと?」
「いや、Vチューバーは詳しくない。父さんが聞いたとき、むりやり答えてるように見えたから」

 大正解デスネ。

「もしかして、叶方さんエスパー?」
「その言葉、晴香にそっくりそのままお返ししようか」

 えー?と思ったけど、そういえば私、初対面でいきなり女嫌いを暴いちゃってた。

 ……ぶっちゃけ、この申し出、すごくありがたい。
 だって、だいぶ話が変わってきた。
 もともとはお金がギリギリだから、絵に使ってるパソコンとかを流用するつもりだったけど、じつは私のパソコン、配信するには絶妙に性能が足りてなくて……。
 新しくいい感じのものを買えたら、それに越したことはない。

 まだある空き部屋を使う許可はもらったから、そこを理想の配信部屋にしたい。
 そのために必要なのは、パソコン、マイク、防音材、それから……。

 考え込んでいると、叶方さんがドアのほうへスタスタと歩いて行った。

「ま、そんなわけだから、妥協せず頑張れよ」
「あっ、ちょっと待って!」
「……なに?」
「後ででもいいから、どんなガワがいいか、希望があったら教えて!」

 叶方さんは綺麗な顔をめんどくさそうに歪めて、それから首を傾げた。

「ガワって?」

 あっ、そうだ、叶方さんVチューバーに詳しくないんだっけ。