女嫌いのスパダリと、2次元命な天才少女が、カップルVTuberをするようです。

「この本棚はここにお願いします」
「わかりましたー」
「これで最後です、ありがとうございます!」

 荷物の運び込みがようやく終わって、ひとりの部屋でふーっとため息を吐く。
 つかれた。

 でも、大仕事がまだ残っている。

 パソコンの配線。

 正しくコードをつながなきゃならないんだ。
 運び出す前に写真は撮っておいたから、そのとおりやればいいだけではあるけど。

「これ、私ひとりでできるかな……?」

 途方に暮れていると、ノック音がした。

「……入っていいか?」

 イケボ。叶方さんだ。

「どーぞどーぞ!」

 入ってきた叶方さんを見て、ふとママの言葉を思い出した。

『息子さんがパソコンにこだわってて、詳しいの』

 ……そうだ!

「ごめん、さっそくだけど配線で困ってて、ちょっと助けて……」

 情けなく手を合わせてお願いする私に、叶方さんは微笑みかけてくれた。

「もちろん、そのつもりで来たし。やっていい?」
「お、お願いします! あ、これ、前の部屋での写真あるから参考に……!」

 わたわたと差し出したスマホをちらりと見て、叶方さんはパソコンに近づく。そして、優しい手つきで、けれどすばやくコードをつないでいった。

 わ、私の義兄(ぎけい)が頼もしすぎるよぉぉぉ!

 と、そんなことを思いながら見つめていると、叶方さんが私に視線を向けた。

「――Vチューバーの件だけど」