『コドモ』と呼ばれるぼく達は

トンッ、と強めに押したブロックは一瞬でタワーのバランスを崩壊させて、
グラッと傾いて、バラバラと崩れ落ちた。

「おねーちゃん…?」

「キャー」って私の悲鳴と、
手を叩きながら笑う、うさぎ先生。
ジェンガが崩れ落ちた音で小夏が目を覚まして、体をゆっくりと起こした。

「起きたの。ごめんね、遅くなって。帰ろうか」

「うさぎせんせが遊んでくれたから楽しかった」

「先生、お世話になりました。ありがとうございました」

「小夏ちゃん、良かったね。お姉ちゃん来てくれて」

「うんっ!」

「千鶴ちゃん、僕からの罰ゲーム」

「は…はいっ」

小夏が起きたことで罰ゲームのことなんてとっくに流れていると思っていた。
口角を上げて「罰ゲーム」とハニかむうさぎ先生は、私の心臓をドキドキとさせた。

「千鶴ちゃんは本当によく頑張ってるよ。偉いね」

「はい」

「でも嘘はつかないこと。それから、千鶴ちゃんも頑張ってるからご褒美は必要だけど、お迎えはなるべく早く来ること。小夏ちゃんが不安になっちゃうからね。これは保育士としてのお願いです」

「はい。約束します」