「気をつけます」
五本目。触れたブロックはぴくりとも動かない。
デコピンの要領で中指と親指でそっと弾いたら僅かに向こう側に飛び出したけれど、
人差し指で押し出そうとするたびにジェンガ全体がちょっとずつ回転してしまう。
「千鶴ちゃんピンチだねー」
「先生、罰ゲーム考えてニヤニヤしてるでしょ!」
「バレましたぁ?」
「やだ!絶対負けないっ」
先生はどんな罰ゲームを想像しているのだろう。
私は、もしも勝つことができたら何をしてほしいのだろう。
一回でいいからデートしてください?
メッセージアカウントの交換とか…付き合ってください、なんて死んでも言えるわけがない。
そもそも世の中では成人と未成年の交際は認められていないらしい。
うさぎ先生はきっとすごく困った顔をするんだろうな。
それからあの優しい笑顔で「ごめんね」って、私のことをあやすみたいに謝るんだろうな。
そう。私は先生にとって、お世話をしている園児達と変わらない。
子どもなんだよね。
先生にとっての恋愛対象には当てはまらないだろうし、
小夏がこの保育園に登園する園児である期間だけの関係性なのだろう。
五本目。触れたブロックはぴくりとも動かない。
デコピンの要領で中指と親指でそっと弾いたら僅かに向こう側に飛び出したけれど、
人差し指で押し出そうとするたびにジェンガ全体がちょっとずつ回転してしまう。
「千鶴ちゃんピンチだねー」
「先生、罰ゲーム考えてニヤニヤしてるでしょ!」
「バレましたぁ?」
「やだ!絶対負けないっ」
先生はどんな罰ゲームを想像しているのだろう。
私は、もしも勝つことができたら何をしてほしいのだろう。
一回でいいからデートしてください?
メッセージアカウントの交換とか…付き合ってください、なんて死んでも言えるわけがない。
そもそも世の中では成人と未成年の交際は認められていないらしい。
うさぎ先生はきっとすごく困った顔をするんだろうな。
それからあの優しい笑顔で「ごめんね」って、私のことをあやすみたいに謝るんだろうな。
そう。私は先生にとって、お世話をしている園児達と変わらない。
子どもなんだよね。
先生にとっての恋愛対象には当てはまらないだろうし、
小夏がこの保育園に登園する園児である期間だけの関係性なのだろう。



