「千鶴ちゃんは偉いよ。まだ十七歳だもん。友達と遊んだり放課後はゆっくりしたいよね。でもずーっと小夏ちゃんのこと優先してるでしょ。本当は責められることじゃないんだけどね」

うちはシングルマザー家庭だ。
お母さんは朝早くから出勤して、お迎え時間のギリギリである十八時は絶対に越えてしまうから、
小夏の送り迎えは私の当番になっている。

小夏をお迎えしたらスーパーに寄って帰宅。
それからごはんを作って小夏をお風呂に入れて寝かしつけたらあっという間に一日が終わってしまう。

それがルーティーンだけど、今日はどうしても友達の誘いを断れなかった。
魔が刺したというか、私だってたまには女子高生らしいことがしたいって、自分の為だけに時間を使いたいって思ってしまったんだ。

うさぎ先生と、待ちくたびれて眠ってしまっている小夏の寝顔を見た瞬間に、
心は罪悪感でいっぱいになってしまったけれど。