「あ、ジェンガ」

「懐かしいでしょ」

長方形の木製ブロックをタワーみたいに積んで、倒さないように一本ずつ引き抜いていく、バランス感覚と心理戦のゲーム。
小さい頃は夢中で遊んだ記憶がある。

「小夏ちゃん起きるまでちょっとやってみる?」

「いいんですか?」

「息抜き、息抜き。どうせだから負けたほうは罰ゲーム有りでやろうよ」

「えー、うさぎ先生って案外肉食系なんですね」

「それは肉食系とは言わないでしょ」

「言いますよ。けっこう攻めるタイプなんだなぁって」

「いいのかなぁ、そんなにおちょくってても?僕の罰ゲームはハードだよ」

「うわ、嫌な大人」

「あはは。じゃあ千鶴ちゃんからどうぞ」

「一回触ったブロックは変更無しですか?」

「うん、ダメ」

「オッケーです。じゃあ…コレから」