(話すのはできるだけ侑李さんに任せよう。会話を振られたら無難に答えて、余計なことを言わないようにしなきゃ……)
シャンパンの栓を抜いた所長が、三つのグラスに桃の花のような色をした綺麗な液体を注ぎ、そのうちふたつを侑李さんと私に差し出した。
「どうぞ、那湖さん」
「ありがとうございます」
「ほら、櫻庭も」
「はい。ありがとうございます」
私の隣には侑李さん、所長は彼の対面に座っている。
大理石のテーブルは私たちの顔を映すほどピカピカで、触れるのも戸惑った。
「それじゃあ、乾杯しよう。櫻庭、那湖さん、ご婚約おめでとう」
グラスを掲げられ、侑李さんと私は「ありがとうございます」と声を揃える。
侑李さんと所長が一口飲んだのを見てから、私もグラスに口をつけた。
「しかし、櫻庭が結婚とはな。一生独身なんじゃないかと心配してたから、私は櫻庭が結婚したいと思うほどの人と出会えたことが嬉しいよ。あの事件の前から、櫻庭の女性嫌いはなかなかの筋金入りだったからな」
「えっ?」
思わず侑李さんを見てしまうと、彼は眉を寄せていた。
「ボス、その話は那湖の前では……」
「なんだ、那湖さんには話してないのか?」
所長が目を小さく見開き、呆れたように笑う。
シャンパンの栓を抜いた所長が、三つのグラスに桃の花のような色をした綺麗な液体を注ぎ、そのうちふたつを侑李さんと私に差し出した。
「どうぞ、那湖さん」
「ありがとうございます」
「ほら、櫻庭も」
「はい。ありがとうございます」
私の隣には侑李さん、所長は彼の対面に座っている。
大理石のテーブルは私たちの顔を映すほどピカピカで、触れるのも戸惑った。
「それじゃあ、乾杯しよう。櫻庭、那湖さん、ご婚約おめでとう」
グラスを掲げられ、侑李さんと私は「ありがとうございます」と声を揃える。
侑李さんと所長が一口飲んだのを見てから、私もグラスに口をつけた。
「しかし、櫻庭が結婚とはな。一生独身なんじゃないかと心配してたから、私は櫻庭が結婚したいと思うほどの人と出会えたことが嬉しいよ。あの事件の前から、櫻庭の女性嫌いはなかなかの筋金入りだったからな」
「えっ?」
思わず侑李さんを見てしまうと、彼は眉を寄せていた。
「ボス、その話は那湖の前では……」
「なんだ、那湖さんには話してないのか?」
所長が目を小さく見開き、呆れたように笑う。



