「おかえりなさいませ、櫻庭様。タオルをお持ちしましょうか」
「いや、構わない」
彼は声をかけてきたコンシェルジュに短く返し、私の手を繋いだままエレベーターに乗り込む。
「すごい雨でしたね……」
「間が悪かったな」
予報では、降水確率は二〇パーセントだったはず。
それに、スーパーを出た時にはここまでひどい雨になるとは思わなかった。
帰路に雨宿りできるところがなかったことも、不運だった。
「タオルを取ってくる。リビングで待っててくれ」
私の返事も聞かずに部屋に入っていった侑李さんの背中を見送ったものの、この状態で室内に入るのは憚られてしまう。
戸惑いながら突っ立っていると、すぐに彼が戻ってきた。
「なにしてる。早く中に入らないと体が冷えるだろ」
「でも、部屋が濡れてしまうので……」
「そんなこと気にしなくていい」
焦ったような表情の侑李さんが私の手を引き、リビングへと連れていかれる。
リビングは玄関や廊下よりも暖かいのに、気温差のせいか全身がぶるっと震えた。
「いや、構わない」
彼は声をかけてきたコンシェルジュに短く返し、私の手を繋いだままエレベーターに乗り込む。
「すごい雨でしたね……」
「間が悪かったな」
予報では、降水確率は二〇パーセントだったはず。
それに、スーパーを出た時にはここまでひどい雨になるとは思わなかった。
帰路に雨宿りできるところがなかったことも、不運だった。
「タオルを取ってくる。リビングで待っててくれ」
私の返事も聞かずに部屋に入っていった侑李さんの背中を見送ったものの、この状態で室内に入るのは憚られてしまう。
戸惑いながら突っ立っていると、すぐに彼が戻ってきた。
「なにしてる。早く中に入らないと体が冷えるだろ」
「でも、部屋が濡れてしまうので……」
「そんなこと気にしなくていい」
焦ったような表情の侑李さんが私の手を引き、リビングへと連れていかれる。
リビングは玄関や廊下よりも暖かいのに、気温差のせいか全身がぶるっと震えた。



