「買い出し、俺も一緒に行く」
「えっ?」
「荷物が多くて大変だろ」
「大丈夫ですよ。複数で住まれてるお宅だと、ゆ……櫻庭さんの家の買い出しの数倍くらいになることもありますから」
侑李さんの名前を呼び直した時、彼がふっと口元を緩めた。
けれど、それを気にするよりも「いいから」と言われ、一緒に買い出しに繰り出すことになってしまう。
とはいっても、いつも利用しているスーパーはすぐ近く。
今日は前回買っておいた野菜を使う予定のため、必要なものは少ない。
マンションを出た時に空模様が怪しかったこともあって急いで店内を回ったから、十五分ほどで買い物は終わった。
「降りそうだな。少し急いだ方がいいか」
侑李さんに頷いて、早足で歩き出す。
それから一分ほどが経った頃、頬にぽつりと雫が当たった。
「あっ……」
彼と私、ふたりの声が揃う。
思わず顔を見合わせた直後、どちらともなくさらに歩調を早めたけれど……。
「うそっ……」
あっという間に大粒になった雨は、ものの二分もせずに本降りになった。
「急ごう!」
侑李さんに手を掴まれ、一瞬驚いたのも束の間。
手を引かれるがままに走り出し、鈍色の空の下をふたりで駆けていく。
運悪く、雨はすぐさま土砂降りになり、マンションのエントランスに着いた頃にはずぶ濡れだった。
「えっ?」
「荷物が多くて大変だろ」
「大丈夫ですよ。複数で住まれてるお宅だと、ゆ……櫻庭さんの家の買い出しの数倍くらいになることもありますから」
侑李さんの名前を呼び直した時、彼がふっと口元を緩めた。
けれど、それを気にするよりも「いいから」と言われ、一緒に買い出しに繰り出すことになってしまう。
とはいっても、いつも利用しているスーパーはすぐ近く。
今日は前回買っておいた野菜を使う予定のため、必要なものは少ない。
マンションを出た時に空模様が怪しかったこともあって急いで店内を回ったから、十五分ほどで買い物は終わった。
「降りそうだな。少し急いだ方がいいか」
侑李さんに頷いて、早足で歩き出す。
それから一分ほどが経った頃、頬にぽつりと雫が当たった。
「あっ……」
彼と私、ふたりの声が揃う。
思わず顔を見合わせた直後、どちらともなくさらに歩調を早めたけれど……。
「うそっ……」
あっという間に大粒になった雨は、ものの二分もせずに本降りになった。
「急ごう!」
侑李さんに手を掴まれ、一瞬驚いたのも束の間。
手を引かれるがままに走り出し、鈍色の空の下をふたりで駆けていく。
運悪く、雨はすぐさま土砂降りになり、マンションのエントランスに着いた頃にはずぶ濡れだった。



