「この件が原因で、彼女は会社をクビになった。ただ、それからはマンションや事務所、駅で待ち伏せされるようになったから、裁判所を通じて接近禁止命令を出してもらってるんだ。だが、それで絶対に大丈夫だという保証はないからな」
「だから、私にあんなことを?」
真剣な眼差しの櫻庭さんが、小さく頷く。
「仕事で来てるだけの君に被害や迷惑がかからないように、と思った。結果的に、違う形で迷惑をかけてしまったが……」
さきほどよりもずっと申し訳なさそうな声音と面持ちを見ていると、やっぱり放っておけないような気持ちにさせられてしまう。
彼が若い女性スタッフを拒否していた理由もわかったことで、余計にこんな風に思うのかもしれない。
だって、櫻庭さんは家政婦からのストーカー被害に遭っていたのだ。
加害者と同じような若い女性スタッフを避けるのは、当然の対応だろう。
彼にとっては、同じ被害に遭ったり余計なトラブルを招かないための自衛行為。
けれど、うちの会社の都合で訪れた私を受け入れ、指名までしてくれた。
私の仕事を認めたからといって、不安や葛藤がなかったとは思えない。
それなのに、私を信じようとしてくれたということ。
花本パートナーサービスで正社員になって初めて指名してくれたという喜びと感謝はもともとあったけれど、ここまでの事情を知ったらそれらがもっと大きくなった。
「だから、私にあんなことを?」
真剣な眼差しの櫻庭さんが、小さく頷く。
「仕事で来てるだけの君に被害や迷惑がかからないように、と思った。結果的に、違う形で迷惑をかけてしまったが……」
さきほどよりもずっと申し訳なさそうな声音と面持ちを見ていると、やっぱり放っておけないような気持ちにさせられてしまう。
彼が若い女性スタッフを拒否していた理由もわかったことで、余計にこんな風に思うのかもしれない。
だって、櫻庭さんは家政婦からのストーカー被害に遭っていたのだ。
加害者と同じような若い女性スタッフを避けるのは、当然の対応だろう。
彼にとっては、同じ被害に遭ったり余計なトラブルを招かないための自衛行為。
けれど、うちの会社の都合で訪れた私を受け入れ、指名までしてくれた。
私の仕事を認めたからといって、不安や葛藤がなかったとは思えない。
それなのに、私を信じようとしてくれたということ。
花本パートナーサービスで正社員になって初めて指名してくれたという喜びと感謝はもともとあったけれど、ここまでの事情を知ったらそれらがもっと大きくなった。



