契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

「大きい……」


 空を仰ぐようにビルを見上げた私は、ハッとして目の前の回転ドアを通り抜け、すぐ傍にあった案内板を確認した。
 地下三階、地上二十階建て。
 地下三階と二階は駐車場で、地下一階にはコンビニと飲食店、一階から十階までは銀行や企業が入っている。
 十一階以上のフロアがすべて、アーサー・椎名法律事務所のようだ。


 どうしたものかと考えながらスマホを見たけれど、櫻庭さんからの返信はない。
 悩んだあと、十一階に受付があることを確認してからエレベーターに乗り込んだ。
 十一階で降りてエレベーターホールを抜けると、ロビーが広がっていた。


 ロビーの右半分にはブラウンのソファとテーブルが等間隔で数セット設置され、その間に置かれたグリーンを含めてスタイリッシュなインテリアになっている。
 窓から差し込む光が大理石の床を照らし、洗練された明るい雰囲気だ。


 エレベーターホールの正面の壁際には受付があり、女性がふたり座っている。
 左側に数メートルほど歩くと、一般客も利用できるらしいコーヒーショップ——『Tokyo Loyal Café(トウキョウロイヤルカフェ)』があった。
 一見すると、ホテルのロビーのようにも感じる。