さきほど、私は櫻庭さんの顔を思い浮かべた。
ただ、彼と私がどうこうなるなんてありえないし、依頼されなくなれば接点だってなくなる。
だって、櫻庭さんは雑誌に載るような人なのだから。
(弁護士事務所の紹介とは言え、エースっぽい感じで載ってたもんね)
彼が掲載されている雑誌を目にしたのは、港区に派遣された日のこと。
テーブルに広げられていた雑誌に、弁護士事務所で撮影されたと思われる写真とインタビューが載っていたのだ。
あの時は、とても驚いた。
まさか雑誌に載るほどの有名人だなんて、知らなかったから。
その場では平静を装ったけれど、帰りに書店に立ち寄って雑誌を買ったほど。
そして、海外にもいたという櫻庭さんの国際弁護士という華々しい経歴まで知った私は、彼のことをますます住む世界が違う人だと感じた。
「ねぇ、どんな人?」
そう訊かれてすぐに浮かんだのは、櫻庭さんの顔や性格、たまに交わす会話。
クールで口数は少ないけれど、意外と優しいとか。
食事を残さずに食べてくれているとか。
さりげなく気遣ってくれるとか。
特に悪いところが出てこないことに気づいた時、彼に対する気持ちに感謝や尊敬以上のものが芽生え始めているんじゃないか……と一瞬思ってしまった。
けれど、それは勘違いだと自分自身に言い聞かせ、にこっと笑う。
「守秘義務があるから言えないよ~」
「それを言われると、これ以上突っ込めないじゃない」
私は笑顔でごまかし、グレープフルーツサワーのグラスに口をつけた。
ただ、彼と私がどうこうなるなんてありえないし、依頼されなくなれば接点だってなくなる。
だって、櫻庭さんは雑誌に載るような人なのだから。
(弁護士事務所の紹介とは言え、エースっぽい感じで載ってたもんね)
彼が掲載されている雑誌を目にしたのは、港区に派遣された日のこと。
テーブルに広げられていた雑誌に、弁護士事務所で撮影されたと思われる写真とインタビューが載っていたのだ。
あの時は、とても驚いた。
まさか雑誌に載るほどの有名人だなんて、知らなかったから。
その場では平静を装ったけれど、帰りに書店に立ち寄って雑誌を買ったほど。
そして、海外にもいたという櫻庭さんの国際弁護士という華々しい経歴まで知った私は、彼のことをますます住む世界が違う人だと感じた。
「ねぇ、どんな人?」
そう訊かれてすぐに浮かんだのは、櫻庭さんの顔や性格、たまに交わす会話。
クールで口数は少ないけれど、意外と優しいとか。
食事を残さずに食べてくれているとか。
さりげなく気遣ってくれるとか。
特に悪いところが出てこないことに気づいた時、彼に対する気持ちに感謝や尊敬以上のものが芽生え始めているんじゃないか……と一瞬思ってしまった。
けれど、それは勘違いだと自分自身に言い聞かせ、にこっと笑う。
「守秘義務があるから言えないよ~」
「それを言われると、これ以上突っ込めないじゃない」
私は笑顔でごまかし、グレープフルーツサワーのグラスに口をつけた。



