「問題ない。味付けはちょうどいいし、そもそも俺は食にあまりこだわらないから」
櫻庭さんの声音は淡々としているのに、『ちょうどいい』という答えにホッとする。
とはいえ、食にこだわらないのなら褒めてくれたわけじゃないのだろうけれど。
「しいて言うなら、いつも何品も作ってくれてるが、あの半分でもいいくらいだ」
ところが、付け足された言葉はどう受け取るべきかわからなかった。
「それは量が多いということでしょうか? もしくは、食費をもう少し減らしてほしいということでしょうか?」
「どちらも違う。他の家事もしながらあれだけの品数を用意するのは手間がかかるだろ、という話だ」
つまり、私の負担を考えてくれた……ということだろう。
そういう人だとは思わなかったこともあって、内心では驚いていた。
だって、櫻庭さんはビジネスに対してはシビアそうに見えたから。
「お気遣いありがとうございます。ですが、私は大丈夫です。料理は好きですし、献立を考えるのも楽しいですから」
素直な本音を口にすると、無表情だった彼の瞳がわずかに緩んだ気がした。
櫻庭さんの声音は淡々としているのに、『ちょうどいい』という答えにホッとする。
とはいえ、食にこだわらないのなら褒めてくれたわけじゃないのだろうけれど。
「しいて言うなら、いつも何品も作ってくれてるが、あの半分でもいいくらいだ」
ところが、付け足された言葉はどう受け取るべきかわからなかった。
「それは量が多いということでしょうか? もしくは、食費をもう少し減らしてほしいということでしょうか?」
「どちらも違う。他の家事もしながらあれだけの品数を用意するのは手間がかかるだろ、という話だ」
つまり、私の負担を考えてくれた……ということだろう。
そういう人だとは思わなかったこともあって、内心では驚いていた。
だって、櫻庭さんはビジネスに対してはシビアそうに見えたから。
「お気遣いありがとうございます。ですが、私は大丈夫です。料理は好きですし、献立を考えるのも楽しいですから」
素直な本音を口にすると、無表情だった彼の瞳がわずかに緩んだ気がした。



