契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

「せめて、ジャンルだけでも指定してくれてたらなぁ……」


 こういう時は、特売しているものを買って作るに限る。
 ひとまず一階に下りてコンシェルジュにカードキーを預け、マンションの敷地を出てから徒歩二分。
 全国展開している高級スーパーに着き、買い物かごを手にする。
 

 このお店は、櫻庭さんから指定された。
 支払いは、現金を入れた封筒がテーブルに置いてあるため、残金とレシートを同じ場所に戻しておく約束だ。


(食事は基本的に毎回ってことだから、数回分の材料を買っておく方がいいよね)


 彼は一人暮らしだから、たくさん作る必要はない。
 それでも、少量を買うよりも節約になるし、買い出しをしなくて済む日には他の家事に時間を使える。
 実は、こういう配慮を喜んでくださるお客様は多いのだ。


 頭の中でイメージしながら、使いやすくて日持ちする食材を手に取っていく。
 冷凍保存できるものなら無駄にせずに済むし、アレンジしやすいものも重宝する。
 不要なものは買わないようにしつつ、だいたい五回分の食事の用意ができる程度の買い物を済ませた。