契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

(お金持ちの世界って感じだなぁ。家具も服も高級なものしかないし)


 たった三回でも、家事をしていると家主の生活みたいなものは見えてくる。
 インテリアや食器類、服や靴は、どれもブランドものばかり。
 さきほどコンシェルジュにクリーニングを依頼しておいたスーツは、イタリア製のラグジュアリーブランドのもので、オーダーメイドのようだった。


 繊細なものに触れる時は特に気をつけているけれど、その中でも特に気を使うのは料理をする時だ。
 最新式の電気オーブンは使い慣れていないし、キッチン用品や食器はブランド名が刻まれているものばかり。
 先日使った小鍋も、うちにある鍋よりも何倍も高価だった。
 けれど、櫻庭さんからの依頼内容のひとつに料理も含まれている。
 そのため、キッチン用品も食器も使うしかなかった。


(そういえば、前任者の時は料理は依頼されてなかったんだよね? 今日はからは料理も……ってことだけど、どうしてなんだろう)


 外食やデリバリーに飽きたとか、会食の回数が減ったとか。
 考えられる理由は色々とあるけれど、事情はわからないまま。
 いずれにしても、今まで一度も要望になかったものが新たに加えられるというのは結構大変なことだ。