「詳細は追ってお知らせいたしますが、その際中郷さんの方で弁護士を立てていただいて構いません。ご親戚でもご友人でも、腕のいい弁護士を連れてきてください」
侑李さんは動揺を見せないどころか、余裕さえある。
淡々と話す怜悧な様子からは、弁護士である彼の姿が垣間見えた。
「こちらは証拠も証言も揃えてきますので、くれぐれもご覚悟を」
強気な口調も、真っ直ぐな目も、私に向けられているわけじゃない。
それでも、こんな時なのに胸の奥がキュンと高鳴った。
「では、私たちはこれで。あなたの弁護人と戦えることを楽しみにしています」
侑李さんが伝票を持ってから私の腰に手を当て、支えながら立たせてくれる。
「えっ……妊娠、してるのか……」
ようやく私の体型に気づいたらしい中郷課長は、それだけ言うと絶句した。
私はなにも言わずに会釈をし、課長を一瞥する。
正直、たいした刑にならないことはわかっている。
それは侑李さん自身が言っていたことで、北原さんの件を踏まえても想像はついた。
けれど、私にとって大事なのは過去と決別すること。
そして、中郷課長に罪を自覚させ、自分の行いについて責任を取らせることだ。
「そうだ。最後にひとつだけ」
歩き出そうとした侑李さんが、課長に顔を戻す。
「那湖の居場所を奪って傷つけたこと、もし仮に那湖が許したとしても俺が決して許さない。覚えておいてください」
今日初めて聞いた、低く冷たい声音。
そこには侑李さんの強い怒りが滲み、私を守ろうとしているのが伝わってくる。
私はそんな彼に手を取られ、中郷課長に背中を向けた——。
侑李さんは動揺を見せないどころか、余裕さえある。
淡々と話す怜悧な様子からは、弁護士である彼の姿が垣間見えた。
「こちらは証拠も証言も揃えてきますので、くれぐれもご覚悟を」
強気な口調も、真っ直ぐな目も、私に向けられているわけじゃない。
それでも、こんな時なのに胸の奥がキュンと高鳴った。
「では、私たちはこれで。あなたの弁護人と戦えることを楽しみにしています」
侑李さんが伝票を持ってから私の腰に手を当て、支えながら立たせてくれる。
「えっ……妊娠、してるのか……」
ようやく私の体型に気づいたらしい中郷課長は、それだけ言うと絶句した。
私はなにも言わずに会釈をし、課長を一瞥する。
正直、たいした刑にならないことはわかっている。
それは侑李さん自身が言っていたことで、北原さんの件を踏まえても想像はついた。
けれど、私にとって大事なのは過去と決別すること。
そして、中郷課長に罪を自覚させ、自分の行いについて責任を取らせることだ。
「そうだ。最後にひとつだけ」
歩き出そうとした侑李さんが、課長に顔を戻す。
「那湖の居場所を奪って傷つけたこと、もし仮に那湖が許したとしても俺が決して許さない。覚えておいてください」
今日初めて聞いた、低く冷たい声音。
そこには侑李さんの強い怒りが滲み、私を守ろうとしているのが伝わってくる。
私はそんな彼に手を取られ、中郷課長に背中を向けた——。



