契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

 新居は、お互いの職場の中心あたりにある。
 利便性がよく、生活に必要なお店だけじゃなく、保育園や病院も充実している。
 子どもが生まれたあとのことも考え、3LDKのマンションにした。
 彼が担当している不動産会社の社長の紹介だったおかげで、判決から一か月経たずして家が決まり、慌ただしくも再来週に引っ越しを控えている。


 それから、もうひとつ。
 中郷課長を訴える準備も進めている。
 当初、課長のストーカー行為やセクハラまがいの件に関して立証するのは難しいと思っていた。
 けれど、私が何度も深雪に相談していた電話やメッセージを始め、中郷課長本人からのメッセージがすべて残っていたこと、偶然にも私のあとで被害に遭っていた女性社員の証言もあることから、勝てる見込みが出てきた。


 その後、他の女性社員たちとも話すことができ、一部の人は私への贖罪も兼ねて場合によっては『証言する』と約束してくれた。
 その中には、紘奈さんもいる。
 彼女は離婚する前、確実に慰謝料を取れるように中郷課長のスマホから目ぼしいメッセージを保存していて、それを提供してくれたのだ。


 その際、紘奈さんは真摯に謝罪し、『あの時に那湖ちゃんを信じ切れなかったことを後悔してる』とも言っていた。
 私も自分がきちんと向き合えなかったことや、結局は彼女を傷つける形になってしまったことを謝り、今は和解している。
『これからは友達として会いたい』と言ってくれた紘奈さんに、私は笑顔で快諾した。