「痛みなら大丈夫だ。コートとスーツのおかげで傷は浅かったし、冬だったのが不幸中の幸いだったな。とりあえず着替えてくるから待っててくれ」
「じゃあ、お茶を淹れますね」
「ありがとう」
差し出がましいかと思ったけれど、侑李さんが微笑んでくれたことにホッとする。
彼がいなくなったリビングからキッチンに移動し、ケトルでお湯を沸かす間に紅茶の葉を準備した。
(大丈夫なはずがないよね……)
確かに、夏よりも冬の今の方が厚着だし、多少の盾にはなったかもしれない。
それでも、五針は縫ったのだ。
痛み止めを飲んでいるからといって、まったく痛くないはずがない。
それに、侑李さんが傷を負ったのは、体だけじゃないはずだ。
彼は、過去に北原さんに盗聴器を仕掛けられそうになり、ストーカーされた挙句、今日はナイフで切りつけられた。
一般的に見れば軽症の類なのだろうけれど、もう充分ひどい目に遭っている。
それなのに、彼女は罪に問われないかもしれないなんて……。
なにも悪くない被害者は泣き寝入り、けれど加害者が守られるかもしれない司法の現実が歯がゆくて腹立たしい。
悔しさで唇を噛みしめると、侑李さんがリビングに戻ってきた。
ちょうどお湯が沸き、紅茶を淹れる。
彼がローテーブルにティーカップを運んでくれ、ふたりでソファに肩を並べた。
「じゃあ、お茶を淹れますね」
「ありがとう」
差し出がましいかと思ったけれど、侑李さんが微笑んでくれたことにホッとする。
彼がいなくなったリビングからキッチンに移動し、ケトルでお湯を沸かす間に紅茶の葉を準備した。
(大丈夫なはずがないよね……)
確かに、夏よりも冬の今の方が厚着だし、多少の盾にはなったかもしれない。
それでも、五針は縫ったのだ。
痛み止めを飲んでいるからといって、まったく痛くないはずがない。
それに、侑李さんが傷を負ったのは、体だけじゃないはずだ。
彼は、過去に北原さんに盗聴器を仕掛けられそうになり、ストーカーされた挙句、今日はナイフで切りつけられた。
一般的に見れば軽症の類なのだろうけれど、もう充分ひどい目に遭っている。
それなのに、彼女は罪に問われないかもしれないなんて……。
なにも悪くない被害者は泣き寝入り、けれど加害者が守られるかもしれない司法の現実が歯がゆくて腹立たしい。
悔しさで唇を噛みしめると、侑李さんがリビングに戻ってきた。
ちょうどお湯が沸き、紅茶を淹れる。
彼がローテーブルにティーカップを運んでくれ、ふたりでソファに肩を並べた。



