契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

(綺麗……)


 切れ長の奥二重の目は左右対称で、力強い光を宿している。
 スッと通った鼻梁は、程よい厚さの唇とのバランスが取れている。
 斜めに分けた前髪から覗く凛々しい眉からは、意志の強さを感じた。


 一八〇センチは超えているであろう体躯は、適度に鍛えられているように見える。
 長い手足が、スタイルのよさを際立たせていた。
 ビジネスショート風の髪はサラサラで爽やかな雰囲気なのに、にこりともしない表情からはクールで取っつきにくい印象を抱いてしまう。
 それなのに、私は目の前の男性のあまりにも端整な顔に見入っていた。


「櫻庭です。事情は聞いてますが、あなたがここに来るのは今日限りにしてほしい」


 端的な自己紹介と冷ややかに告げられた要望から、櫻庭さんの不満を受け取る。
 彼の要望を叶えられなかったのは、こちらの事情だ。
 不満を感じさせているのは当然だし、初っ端から拒絶されたことを少しだけ悲しく思いつつも微笑を浮かべた。


「承知しました。花本には櫻庭様のご要望は必ず申し伝えます。本日限りになりますが、よろしくお願いいたします」


 お辞儀をしてから顔を上げると、櫻庭さんは「どうぞ」と私を室内に促した。