「那湖がうちに来るようになって、帰宅するたびに家が気持ちいいほど綺麗になってたり些細なことに気づいてくれたりすることが嬉しかった。家は寝に帰るだけの場所だと思ってたのに、気づけば〝帰りたくなる場所〟になっていったんだ」
(そんな風に思ってくれてたなんて……)
私はただ、家政婦としての仕事を全うしようと必死だっただけ。
もったいないくらいの嬉しい言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなっていった。
「那湖の料理が楽しみで、食事をするのが億劫じゃなくなった。疲れて帰ってきても、那湖の料理を食べると不思議と明日も頑張ろうと思えた。那湖が整えてくれた部屋に帰るのが待ち遠しいと思う日まであったんだ」
侑李さんが、そっと私の手を取る。
少しだけ冷たい体温が、彼が抱えている緊張を教えてくれるようだった。
「きっと、そういう小さな積み重ねで那湖に惹かれていったんだ」
その言葉からも、労わるように優しく握られた手からも、侑李さんの想いが伝わってくる。
まだ信じられない気持ちの方が大きいけれど、彼の告白を嘘だとは思えなかった。
「だからこそ、あの雨の日に順番を間違えるべきじゃなかった……」
「でも……それは、私も……」
再び後悔を覗かせた侑李さんに、反射的に私も同罪であると言おうとしたけれど、私が言い切る前に彼が首を横に振った。
(そんな風に思ってくれてたなんて……)
私はただ、家政婦としての仕事を全うしようと必死だっただけ。
もったいないくらいの嬉しい言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなっていった。
「那湖の料理が楽しみで、食事をするのが億劫じゃなくなった。疲れて帰ってきても、那湖の料理を食べると不思議と明日も頑張ろうと思えた。那湖が整えてくれた部屋に帰るのが待ち遠しいと思う日まであったんだ」
侑李さんが、そっと私の手を取る。
少しだけ冷たい体温が、彼が抱えている緊張を教えてくれるようだった。
「きっと、そういう小さな積み重ねで那湖に惹かれていったんだ」
その言葉からも、労わるように優しく握られた手からも、侑李さんの想いが伝わってくる。
まだ信じられない気持ちの方が大きいけれど、彼の告白を嘘だとは思えなかった。
「だからこそ、あの雨の日に順番を間違えるべきじゃなかった……」
「でも……それは、私も……」
再び後悔を覗かせた侑李さんに、反射的に私も同罪であると言おうとしたけれど、私が言い切る前に彼が首を横に振った。



