「俺は、那湖のことが好きだ」
真剣味を帯びた声が、静かなリビングに落ちていく。
ただ、なにを言われたのかすぐに理解できなかった私は、反応が遅れてしまった。
「えっ……?」
「正直、最初は深く関わりたいなんて思ってなかった。家政婦としては一度きりのつもりだったし、那湖を指名してからも一線を引いたままでいるつもりだった。それなのに、那湖は最初からずっと一生懸命で真っ直ぐで……」
適切な言葉を探すようにして話す彼は、珍しくどこか歯切れが悪い。
「初めて会った日も、きっぱり断るつもりだった。だが、冷たい態度を取った俺に、那湖は動じることなく仕事をこなして、俺の体調を気遣った料理まで出してくれた。なんの非もない那湖に不躾なことをしたのに……」
侑李さんの瞳には、後悔が滲んでいる。
あの日、そんな風に思ってくれていたのだと知って嬉しいのに、このことをずっと気にさせていたのかもしれないと知って胸がギュッと締めつけられた。
「仕事だったのはわかってる。それでも、那湖が帰ったあと、必要以上に身構えてしまったことを申し訳なく思った。同時に、那湖の仕事は丁寧で俺の要望以上のことを叶えてくれて、家政婦として信頼できると感じたんだ」
彼は「だから指名した」と言って、少しだけ気まずそうに笑った。
真剣味を帯びた声が、静かなリビングに落ちていく。
ただ、なにを言われたのかすぐに理解できなかった私は、反応が遅れてしまった。
「えっ……?」
「正直、最初は深く関わりたいなんて思ってなかった。家政婦としては一度きりのつもりだったし、那湖を指名してからも一線を引いたままでいるつもりだった。それなのに、那湖は最初からずっと一生懸命で真っ直ぐで……」
適切な言葉を探すようにして話す彼は、珍しくどこか歯切れが悪い。
「初めて会った日も、きっぱり断るつもりだった。だが、冷たい態度を取った俺に、那湖は動じることなく仕事をこなして、俺の体調を気遣った料理まで出してくれた。なんの非もない那湖に不躾なことをしたのに……」
侑李さんの瞳には、後悔が滲んでいる。
あの日、そんな風に思ってくれていたのだと知って嬉しいのに、このことをずっと気にさせていたのかもしれないと知って胸がギュッと締めつけられた。
「仕事だったのはわかってる。それでも、那湖が帰ったあと、必要以上に身構えてしまったことを申し訳なく思った。同時に、那湖の仕事は丁寧で俺の要望以上のことを叶えてくれて、家政婦として信頼できると感じたんだ」
彼は「だから指名した」と言って、少しだけ気まずそうに笑った。



