「どうして? ふたりのことなんだから、俺は無関係じゃない」
「そうですけど……でも、侑李さんと私は偽物の婚約者です。婚姻届を出すと言っても、それは変わりません。だいたい、侑李さんは産んでほしくないですよね?」
落ち着いて話そうとしても、捲し立てるような口調になった。
侑李さんが眉を下げ、開きかけた唇を結ぶ。
その表情が悲しげに見えるのは、私の願望がそうさせているだけに違いない。
だからこそ、まだ冷静になり切れない思考を必死に働かせ、どう言えば堕ろさずに済むのか……と考えてしまう。
「そんな風に思わせてしまってすまない」
程なくして、彼が息をゆっくりと吐き、ぽつりと謝罪を零した。
謝られるようなことなんだ……と思わされ、胸の奥が小さく痛む。
もっと強くならなければいけないのに、喉の奥から込み上げてきた熱が視界を滲ませそうだった。
「俺がどう思うか、勝手に決めてほしくない……と、さっきはそう言おうとした。だが、那湖をそこまで思い詰めさせたのは俺だ。それは本当に申し訳ない。ただ、俺の話も聞いてくれないか?」
まるで、小さな子どもに伝えるような優しい声音だった。
さきほどまでとは違う理由で涙が込み上げてきそうになったけれど、唇を噛みしめてグッとこらえる。
「これ以上の誤解を生まないように、結論から先に言うよ」
意を決したような表情をした侑李さんが、私を見つめてくる。
その双眸があまりにも真っ直ぐすぎて、目を逸らせなくなった。
「そうですけど……でも、侑李さんと私は偽物の婚約者です。婚姻届を出すと言っても、それは変わりません。だいたい、侑李さんは産んでほしくないですよね?」
落ち着いて話そうとしても、捲し立てるような口調になった。
侑李さんが眉を下げ、開きかけた唇を結ぶ。
その表情が悲しげに見えるのは、私の願望がそうさせているだけに違いない。
だからこそ、まだ冷静になり切れない思考を必死に働かせ、どう言えば堕ろさずに済むのか……と考えてしまう。
「そんな風に思わせてしまってすまない」
程なくして、彼が息をゆっくりと吐き、ぽつりと謝罪を零した。
謝られるようなことなんだ……と思わされ、胸の奥が小さく痛む。
もっと強くならなければいけないのに、喉の奥から込み上げてきた熱が視界を滲ませそうだった。
「俺がどう思うか、勝手に決めてほしくない……と、さっきはそう言おうとした。だが、那湖をそこまで思い詰めさせたのは俺だ。それは本当に申し訳ない。ただ、俺の話も聞いてくれないか?」
まるで、小さな子どもに伝えるような優しい声音だった。
さきほどまでとは違う理由で涙が込み上げてきそうになったけれど、唇を噛みしめてグッとこらえる。
「これ以上の誤解を生まないように、結論から先に言うよ」
意を決したような表情をした侑李さんが、私を見つめてくる。
その双眸があまりにも真っ直ぐすぎて、目を逸らせなくなった。



