職業柄、もともと家政婦の中に男性スタッフはとても少ない。
最初に櫻庭さんを担当していた男性スタッフは一年前の大学卒業と同時に辞めていき、現在は正社員にもバイトスタッフにも男性がいない。
その上、立て続けに三人出た退職者は、こぞって五十代や六十代の女性ばかり。
人員不足はもとより、今は櫻庭さんの希望を叶えられるスタッフがいないのだ。
そこで、さっちゃんは私を担当に回した。
彼には、私がさっちゃんの身内であることと事情は伝えられている。
『先日までの担当が退職し、他の者は予約が埋まってるので若い女性を行かせるが、無理なら次回から変更できるように尽力する』と……。
ただ、最低限の要望に応えられない状況で受け入れてくれるのか……と考えると、不安ばかりが大きくなっていった。
とはいえ、やるしかない。
私にできることは、花本パートナーサービスのスタッフとしてしっかりと仕事をこなすことだけ。
そう思い、眼前にそびえ立つ建物を見上げながら深呼吸をした。
赤坂のテレビ局から程近い、タワーマンション。
閑静な住宅街じゃないのに、マンションの敷地内に入って少し歩くと、都会とは思えない静かで落ち着いた雰囲気に包まれていた。
最初に櫻庭さんを担当していた男性スタッフは一年前の大学卒業と同時に辞めていき、現在は正社員にもバイトスタッフにも男性がいない。
その上、立て続けに三人出た退職者は、こぞって五十代や六十代の女性ばかり。
人員不足はもとより、今は櫻庭さんの希望を叶えられるスタッフがいないのだ。
そこで、さっちゃんは私を担当に回した。
彼には、私がさっちゃんの身内であることと事情は伝えられている。
『先日までの担当が退職し、他の者は予約が埋まってるので若い女性を行かせるが、無理なら次回から変更できるように尽力する』と……。
ただ、最低限の要望に応えられない状況で受け入れてくれるのか……と考えると、不安ばかりが大きくなっていった。
とはいえ、やるしかない。
私にできることは、花本パートナーサービスのスタッフとしてしっかりと仕事をこなすことだけ。
そう思い、眼前にそびえ立つ建物を見上げながら深呼吸をした。
赤坂のテレビ局から程近い、タワーマンション。
閑静な住宅街じゃないのに、マンションの敷地内に入って少し歩くと、都会とは思えない静かで落ち着いた雰囲気に包まれていた。



