契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

(どうしよう……。侑李さんに相談した方がいい……よね? でも……)


 自然と下げていた視線を上げると、侑李さんと目が合った。
 真っ直ぐに私を見つめていた双眸が、静かに近づいてくる。
 キスの予感を抱くよりも先に、彼の唇が私の唇に触れた。
 胸に抱いた不安はそのままに、優しいキスにドキッとしてしまう。


 一度唇が離れたかと思うと再びくちづけられ、啄むようなキスが繰り返される。
 その甘さと熱を拒絶できずに瞼を閉じると、侑李さんが私の頬を優しく撫でた。
 すり……と甘やかすような仕草に、体が小さく粟立つ。
 程なくして唇が離れた時、私の体温は上がっていた。


「体調が悪いのにごめん……」


 色香の混じった声に、ドキリとする。


「我慢できなかった……」


 次いでぽつりと零された言葉に、さらに胸の奥が高鳴った。
 けれど、それどう捉えればいいのかわからない。


 愛はないとわかっているからこそ、そのまま受け取ってはいけないのに……。熱と欲が滲む瞳に見つめられているせいで、愛されていると勘違いしそうになる。
 思考はぐちゃぐちゃで、けれど現実が不安を煽ってくる。


「そろそろ休もう。明日は送っていくから、ゆっくり眠って」


 優しい言葉のあとで、額にキスが落ちてくる。
 本当の婚約者ならどれほどよかっただろう……。
 そうじゃないからこそ、不安を抱えたままの私はなかなか寝つけなかった——。