契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

「今さら? もう二回も一緒に寝てるし、その時は体の隅々まで見たのに?」


 そんな私に、彼が悪戯っぽく瞳を緩めた。
 まるで少年のような無邪気さがありながら、微かに色っぽい。
 こんな風に笑う侑李さんを見るのは初めてで、鼓動が勝手に大きく脈打ち始めた。


 ドキドキしているのは、私だけ。
 それはわかっているのに、彼の言葉ひとつで甘く淫らな情事を思い出してしまう。
 かあっと頬まで熱くなって程なく、ふと違和感が芽生えた。


(あれ……? もしかして……)


 月経が来ていないと気づいたのは、そのすぐあとのこと。
 私は周期がだいたい安定していて、遅れてもせいぜい二日程度まで。
 ところが、今月どころか先月も〝まだ〟だ。


 さあっ……と血の気が引いていき、心臓がバクバクと鳴る。
 さきほどとは違う意味で大きくなった音は、頭の中まで響いていた。


(待って……。最後はいつだった?)


 月経周期をアプリで管理しているけれど、肝心のスマホはバッグの中。
 ただ、アプリで確認しなくても、先月は来ていないことは思い出せる。
 少なくとも、最終月経から二か月以上が経過しているはずだ。
 急激に襲いくる不安に、今にも押し潰されてしまいそう。