契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~

 そもそも、私の家は人を泊められるほど広くはない。
 シングルベッドでふたりで眠るのは狭いだろうし、そうじゃなくても侑李さんに泊まってもらうなんて気が引ける。
 かと言って、彼に外で一晩を明かさせるなんて……。


 ただ、侑李さんが引かないことはわかっている。
 私に与えられた選択肢の中から選ぶのなら、ここに泊まらせてもらうのが一番丸く収まるのだろう。


「わかりました。じゃあ、今日はお世話になります」


 口ではそう言いつつ、ソファで眠るつもりだった。
 そのことは黙っていたけれど、先にお風呂を借りることになり、ひとまず彼の厚意に甘える。
 さすがにゆっくりすることはできなかったものの、幾分か気分がすっきりした。


 けれど、バスルームを出てリビングに戻った時、再び問題が発生する。


 侑李さんから、『髪は乾かさずに出てきてほしい』と言われていたのだけれど。

「俺が乾かすよ」

 てっきり彼が早くお風呂に入るためだと思っていた私は、当然のようにソファに座らされて驚いてしまった。


「そんな……。自分でできますから」
「いいから。これくらいさせてくれ」


 ソファの後ろに回った侑李さんが、ドライヤーの熱風を私の髪に当てる。
 しかも、ブラシで髪を梳いてくれ、優しくブローされていく。
 自分でするよりもずっと丁寧で、彼の手際のよさに感心した。