ところが、一転。
黒毛和牛のすき焼きとともに白米も目の前に置かれた時、急に気分が悪くなった。
軽い吐き気や胃もたれのような、ムカムカする感じがして……。それはあっという間にひどくなっていき、とてもじゃないけれどすき焼きなんて食べられそうにない。
申し訳ないと思いつつ、一度席を立たせてもらった。
女将に案内された化粧室で手を洗い、軽く口をすすぐ。
けれど、一向にすっきりせず、どこかで横になりたくなってくる。
外の空気を吸いたかったけれど、ふたりをあまり待たせるわけにはいかず、化粧室を後にした。
(すごく気持ち悪いわけじゃないし、なんとか最後まで乗り切れるといいんだけど)
一杯目だけでも……なんて気持ちで無理をしなくてよかった。
もしお酒を断っていなければ、この程度では済まなかったかもしれない。
個室に戻ると、ふたりは仕事の話をしていたようだ。
邪魔をしたかもしれないと思ったけれど、所長がすかさず私に話を振ってくれる。
「そういえば、那湖さんもこれからは『ボス』って呼んでくれていいからね」
「いえ、そんな……」
「いいんだ。うちはフランクな職場だし、海外支社も含めて代表はボスって呼ぶことになってるんだよ。今後もパーティーで顔を合わせることもあるだろうし、部下の家族からもそう呼んでもらってるから気軽にしてくれると嬉しい」
「わかりました。では、お言葉に甘えさせていただきますね」
笑顔で答えたあとは、とにかくこの場を乗り切ることに徹した。
黒毛和牛のすき焼きとともに白米も目の前に置かれた時、急に気分が悪くなった。
軽い吐き気や胃もたれのような、ムカムカする感じがして……。それはあっという間にひどくなっていき、とてもじゃないけれどすき焼きなんて食べられそうにない。
申し訳ないと思いつつ、一度席を立たせてもらった。
女将に案内された化粧室で手を洗い、軽く口をすすぐ。
けれど、一向にすっきりせず、どこかで横になりたくなってくる。
外の空気を吸いたかったけれど、ふたりをあまり待たせるわけにはいかず、化粧室を後にした。
(すごく気持ち悪いわけじゃないし、なんとか最後まで乗り切れるといいんだけど)
一杯目だけでも……なんて気持ちで無理をしなくてよかった。
もしお酒を断っていなければ、この程度では済まなかったかもしれない。
個室に戻ると、ふたりは仕事の話をしていたようだ。
邪魔をしたかもしれないと思ったけれど、所長がすかさず私に話を振ってくれる。
「そういえば、那湖さんもこれからは『ボス』って呼んでくれていいからね」
「いえ、そんな……」
「いいんだ。うちはフランクな職場だし、海外支社も含めて代表はボスって呼ぶことになってるんだよ。今後もパーティーで顔を合わせることもあるだろうし、部下の家族からもそう呼んでもらってるから気軽にしてくれると嬉しい」
「わかりました。では、お言葉に甘えさせていただきますね」
笑顔で答えたあとは、とにかくこの場を乗り切ることに徹した。



