「へぇ。いつ頃?」
所長の視線が、再び私を射貫く。
「えっと、年が明けた頃には……。その……私の個人的な都合で入籍を待ってもらってたんですけど、やっぱり籍は早く入れたいと思いまして……」
油断すれば、声も手も震えてしまいそうだった。
所長を見ている私の視界の片隅で、侑李さんが一瞬目を見開いたことに気づいたけれど、もう後には引けなかった。
「ですから、保証人の欄はぜひ所長に書いていただければと思います」
とにかく、今はこの場を切り抜けるしかない。
嘘は苦手なのに、その一心で言葉を紡いだ。
ふっと、所長の瞳が緩められる。
穏やかな弧を描いた双眸には、さきほどまでの冷たさはない。
「そうか。どうにもふたりが余所余所しい気がして婚約者に見えなかったんだが、嘘じゃないと聞いて安心したよ。疑って悪かったね」
やっぱり、所長は私たちの本当の関係を見抜いていたのかもしれない。
パーティーの時に違和感を持ったからこそ、こうして呼び出されたのだろうか。
もう後戻りできないことと、危ない状況だったこと。
そのふたつに不安を覚えながらも、必死に笑顔を繕った。
所長の視線が、再び私を射貫く。
「えっと、年が明けた頃には……。その……私の個人的な都合で入籍を待ってもらってたんですけど、やっぱり籍は早く入れたいと思いまして……」
油断すれば、声も手も震えてしまいそうだった。
所長を見ている私の視界の片隅で、侑李さんが一瞬目を見開いたことに気づいたけれど、もう後には引けなかった。
「ですから、保証人の欄はぜひ所長に書いていただければと思います」
とにかく、今はこの場を切り抜けるしかない。
嘘は苦手なのに、その一心で言葉を紡いだ。
ふっと、所長の瞳が緩められる。
穏やかな弧を描いた双眸には、さきほどまでの冷たさはない。
「そうか。どうにもふたりが余所余所しい気がして婚約者に見えなかったんだが、嘘じゃないと聞いて安心したよ。疑って悪かったね」
やっぱり、所長は私たちの本当の関係を見抜いていたのかもしれない。
パーティーの時に違和感を持ったからこそ、こうして呼び出されたのだろうか。
もう後戻りできないことと、危ない状況だったこと。
そのふたつに不安を覚えながらも、必死に笑顔を繕った。



