伝説の最強美少女。ただし(引きこもりコミュ障付き)

「はい、この人が今日から担任になる九重(ココノエ)先生ですよ」

「九重だ。よろしく」


後ろに流された茶髪にキリッとした二重、がっしりとした体格。これは喧嘩やってるな。
その点で言えば理人くんも目立たないけど筋肉が無駄なくついている。喧嘩とかやってたんだろうな。
見た目は黒髪黒目の品行方正な風に見えるけど、ふとした仕草に喧嘩慣れした雰囲気を感じる。
なんだろ、威圧的な?
これは私が長年抗争の真っ只中にいたからこそ分かる事なんだけど。

とまぁ、それは置いといて。
こころなしか九重先生の目が厳しい。
いや、確実にこちらを警戒している。

うっ胃が……!


「うぅ、よろし……うぇっうぇっ……帰り、た」

「九重先生に挨拶ねー」

「ウッ…………あさひなあおいですどうぞよろしくおねがいします帰っていいですか」

「はーい、じゃあ僕はもう行きますねー」


え……? い、行っちゃうの??


「りりり理人くん……? お、置いていくんですか……?」

「え? だって僕、理事長ですしー」

「うぐぐぐぐぅっ……! 理人くん……私を置いて行っちゃうの……?」

「はい」


理人くんは素晴らしいほどの笑顔を見せた。
なまじ顔が良いだけに、キラキラとしている。


「わ、私は帰らなかったじゃないですかぁ……もう帰るぅー! 私帰ってゲームするぅう!!」

「はいはい、もうさっき言質は頂きましたからね」

「む、むりです耐えられそうにありません!! 理人くんさっきの挨拶見てたでしょ?! 明らかに私の高校生活終わったよ!」

「っふ……ま、まぁ、まだこれからですよ……っ」

「笑ってんじゃねぇよ!!!」


理人くんが肩を震わせ口元を隠すのをうぇぇぇ、と半泣きになりながら抗議していると、九重先生が戸惑いながら理人くんに話しかけた。


「あの、理事長先生。朝日向さん、先程の性格と全然違うような気が……」

「あぁ、ふふっ……し、失礼。彼女はですね……」


私の前で私についての説明がされた。
どんな羞恥プレイだよ。てか笑うなよ。


「なるほどコミュ障……」

「くっ……コミュ障で悪かったな! そうだよ私はどうせ引きこもってゲームしか出来ないコミュ障ヒキニートですよ! 帰っていいですか!!」

「ダメです☆」


理人くんが辛辣。